【活用事例】傾斜監視IoTデバイスの研究開発 「傾斜 3/1000」

【活用事例】傾斜監視IoTデバイスの研究開発 「傾斜 3/1000」

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      7bev2206
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        ナノコン応用コンテストに提出した作品の説明になります。

         

        1.     解決したい課題・開発の目的

        住宅の建築後、地盤沈下による建物の傾斜を原因とする買主と売主の間の係争問題が多く発生している現状があります。タイトルの「傾斜3/1000」は、問題となる1mあたり3㎜の傾斜を意味しており、角度にすると約0.17°となります。建設された住宅の傾斜を0.02°程度の精度で常時監視し、傾斜の発生を検知することを目的に、Leafonyの加速度センサを用いて、このデバイスを開発しました。

         

        2.     Leafonyを活用した解決方法

        Leafonyの加速度センサを用い、設置(起動)時の加速度を計測しそれから計算した空間ベクトルそれを基準値として、その後の加速度による空間ベクトルとのなす角度を傾斜角とします。この傾斜角をWi-Fiを経由してGoogleスプレッドシートに送信・監視します。

        使用したリーフ:   ESP32 Wi-Fi kit

                                     4-Sensors

                                     2V~4.5V

         

        3.     実験検証①―精度の検証

        まず、傾斜角の計測において、0.02°程度の精度が得られるかの検証を行いました。

        1枚の集成木材ボードの四隅にアジャスターボルトを取り付け、高さを自由に調整できるようにした実験台を作製して、高精度の水準器により傾斜角を、ダイヤルゲージにより高さ変位をそれぞれ計測できるようにしました。0.5㎜ずつ高さを調整しながら、高精度水準器の値と、Leafonyを使った本デバイスの検出する値の比較を行いました。

        下図に、実験装置と実験結果を示します。この実験検証を通して、目標とした0.02°程度の精度が得られることが確認できました。

        4.     実験検証②―リアルタイム監視の検証

        次に、先ほどの実験台の片側のアジャスターボルトを、粘土を詰めた圧密試験機に変えて上から錘を載せ、徐々に沈下させることで自然に傾斜していく状態を再現しました。その状況をWi-Fi通信を利用してGoogleスプレッドシートに送り、遠隔地でも傾斜の状態をリアルタイムに監視できることを確認しました。

        下図は、実験の様子と、傾斜角の経時変化(0分~22分)ならびにデータが送信されたスマートフォン画面を示しています。

        0.02°程度の精度で傾斜角を計測し、その結果を遠隔地からでもリアルタイムで監視が可能なことが確認できました。

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