【活用事例】LTE-Mでエナジーハーベスト用オリジナルリーフ
【活用事例】LTE-Mでエナジーハーベスト用オリジナルリーフ
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- 2022-02-25 19:15 #12976たくろーどん参加者
動機
Leafony LTE-Mは、LTE-M通信や各種センサーを搭載しながら低消費電力で動かすことができる。
つまりWiFi環境のない屋外での使用に適している。
このLeafony LTE-Mを活用するにあたって、屋外で半永久的に使うには電源をどうするか、という課題に行き着いた。まず手元に日清紡マイクロデバイス(旧 リコー電子デバイス)が開発したエナジーハーベスティング向けリーフ「EH01」に太陽光パネルをつなげ、LTE-Mに接続して起動するか試した。しかしLTE-Mは起動しなかった。「LTE-Mリーフ ハードウェア技術情報」のPDFに記載しているコネクタのピンアサインを確認したところ、3.3Vを入力できないことがわかった。
またLTE-Mには電源テストパッドがあり、ここに配線をつなげれば電源供給できると考えられるが、スマートではない。
そこで太陽光パネルのようなエナジーハーベストでえた電力をLTE-MのUSB Type C端子から電源供給できるようなオリジナルリーフを新たにつくることにした。
使用部品
部品表は下記の通りである。
「TPS61201」と「TPS61202」は0.3Vでも動作できる超低電圧DC-DCコンバーターである。
前者は3.3Vに昇圧、後者は5Vに昇圧する。
「TPS61200」という出力電圧を回路で調整できる素子もあるが、近年の半導体不足の影響か入手が困難であった。部品名 型番 個数 備考 低電圧昇圧コンバーター TPS61201 1 3.3V出力 低電圧昇圧コンバーター TPS61202 1 5V出力 USB Type-Cコネクタ UJC-HP-3-SMT-TR 1 電源供給用 表面実装スイッチ SSAJ120100 1 出力電圧切り替え用 表面実装端子台 SMD PCB TERMINAL BLOCK; 0.5 MM【2059-322/998-403】 1 抵抗 RK73Z1JTTD 2 0Ω コンデンサ GRM21BB31H475KE51 2 4.7μF コンデンサ GRM21BR61E226ME44 2 22μF コンデンサ GRM21BR11H104KA01 2 0.1μF インダクタL1 DFE201210S-2R2M 2 2.2μH 太陽光パネル Panasonic AM-1820 1 手順
オリジナルリーフをつくるにあたって、公式ページ「自作リーフ開発」を参考にしながら、KiCAD 6で作成した。
回路図と動作
回路図は下記の通り。
各機能は- 出力切り替え用スイッチ
- 3.3Vと5V出力を切り替える
- ターミナルブロック
- 入力部分で太陽光パネルなどを接続する
- USB Type-C端子(メス)
- 5V出力の場合の出力端子。USBケーブルでLTE-Mへと電源供給。
3.3V出力の場合は、リーフの3.3V出力端子へ供給される。
つくってみた
基板をJLCPCBに発注したところ、約7日で製造枚数10枚で約28ドル(そのうち送料14ドル)で下記のように完成した。
これをLTE-Mに接続するとこうなる。
他のリーフをスタックすると下記のようになり、USB typeーC端子はスタックの邪魔にならない。
端子台が実装部品中ので一番背が高い。なので、他のリーフとあわせて使用する場合は、リーフを横並びに接続するためのコネクタリーフ「AX03 Leaf x2」を使うと良いだろう。
まとめ
今回、エナジーハーベストした低電圧を昇圧し、LTE-Mを電源供給できるオリジナルリーフを作成した。
標準のリーフのサイズは限られているため、発注元のデザインルールに従うと電子部品のレイアウトに難儀した。
しかし近年の半導体不足の影響か、低電圧昇圧コンバーターを発注したものの未だ届かない(注文時は在庫があったのに…なぜ…)。
部品が届き次第実装し、評価してみる予定だ。
このような電源供給基板と防水ケースをつくればより屋外での活用が広がるはずだ。
- 出力切り替え用スイッチ
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