【活用事例】みまもりパパ
【活用事例】みまもりパパ
- このトピックには0件の返信、1人の参加者があり、最後にHI 渡邊により2021-12-28 15:57に更新されました。
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- 2021-12-28 21:47 #12797HI 渡邊参加者
作品名
みまもりパパ
モチベーション
小学生も2年生になると、一人で登下校したり放課後に友達と遊ぶことが出てきます。行動範囲の広がりと共に、トラブルに巻き込まれるリスクも増え、2018年の統計ですと9歳以下の子供が行方不明になった件数は1200件、13歳未満の子供の誘拐事件は110件発生していると報告されています※1。
一方で認知症を患った高齢者の行方不明者数も平成29年の統計ですと15,863件と報告され※2 、今後超高齢化社会を迎える日本にとって、大きな課題になると予想されます。
こうした課題を解決するために GPS センサーによる見守りシステムが各社より販売されていますが※3,4、Leafony くらい小さい製品は無いようです。
また、位置情報は非常にセンシティブな個人情報であるため、十分なセキュリティ担保が必要と考えられます。弊社調査によると低消費電力・低スペックCPU・少ないフットプリントといった制約を課せられた組み込み機器で動作するネットワークプロトコルスタックは非常に限られています※5, ※6 。通信中はキャリアのセキュリティ担保があっても、サーバには平文で置かれるなどなどの課題も報告されています※7 。※1 公務員総研 https://koumu.in/articles/201119
※2 警視庁 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/H29yukuehumeisha_zuhyou.pdf
※3 まもサーチ https://mamosearch.jp/
※4 みもり https://mimori-ai.jp/
※5 wolfSSL https://www.wolfssl.jp/
※6 MbedTLS https://tls.mbed.org/
※7 IoT/OT サイバーセキュリティジャパンサーベイ2020 年版 https://start.paloaltonetworks.jp/iot-ot-japan-survey-2020.html要件
- 位置情報を把握出来ること。
- 小型・軽量かつバッテリーの持ちが良いこと。
- 個人情報保護の観点から、セキュリティが担保されること。
- スマホやブラウザ等で見れる等、データに可搬性があること。
ハードウェア構成
Leafony
- LTE-M Leaf Ver.3
- GP-20U7:GPSモジュールhttps://www.switch-science.com/catalog/2627/
各要件への対応
位置情報
GPSセンサは小型で低消費電力な GP-20U7 ※8を利用。
LTE-M モジュールと組み合わせる前に、Leafony ST32 MCP を使い、シリアル接続で動作と精度の確認をしました。
可視化ツールとして Python によるOpenStreetMap を利用して精度に問題が無いことを確認。※8 https://www.switch-science.com/catalog/2627/
小型軽量バッテリー
小型軽量等のハード要件はLeafonyを用いることで達成。
省電力モード等のアプリ側での対応は今後の課題となる。セキュリティ担保
LTE-M を含む LPWA では、通信モジュールによる暗号化・経路のセキュリティは担保されていますが、搭載するプロセッサが非力な場合アプリレベルでの暗号化は望めません。到着したデータを保持するサーバでは平文でデータ管理がされます※7。
その結果、セキュリティ担保を自社で行えないため、リスクとみなしたり、選定に至らない例が存在します。
この課題を、弊社の組み込み向け軽量ネットワークプロトコル expist IoTA (商標登録出願中)により解決します。※7 IoT/OT サイバーセキュリティジャパンサーベイ2020 年版 https://start.paloaltonetworks.jp/iot-ot-japan-survey-2020.html
IoTA の主な特徴
UDP 上で動作する軽量なネットワークプロトコル
トランスポート層での暗号化に対応(SPECK 128 を利用)
1RTT接続、通信レジューム等、帯域の効率的な利用
16KByte のフットプリントで実装可能
ECDH 鍵交換アルゴリズムを実装
対応プロセッサ/SBC:STM32 MPC リーフ、LPC 1768、ESP 32/8266、Raspberry Pi Zero
対応通信モジュール:Leafony LoRa リーフ、佐鳥電機 920MHz モジュール、KDDI LTE-M リーフデータの可搬性
今回試作したシステムは3つの要素から構築されます。
KDDI 様製 LTE-M Leaf では、外付けGPSセンサより得られた位置情報を弊社の試験用サーバへ MQTT over IoTA プロトコルでデータを1分に1回送信します。データは完全に暗号化されます。
MQTT Broker は、IoTA プロトコルとして受け取ったデータを TLS, TCP/IP に変換することで一般性を持たせ、MQTT Subscriber へ配信可能とします。
最終的に、LTE-M Leaf より送られた位置情報は MQTTS の Subscriber で受信し、ログとして保存、Python で動作する Flask HTTP サーバを使い、OpenStreetMap を用いてプロットし、ブラウザ等で閲覧が可能となります。課題
- チューニング、帯域の有効利用
安定動作するには1分に1度の送信周期に留まっているため、より改善出来るポイントが無いか検討
- LoRa Leafへの対応
安定動作に課題があり、今回の応募への利用には断念。IoTA よりさらに軽量である uIoTA (micro IoTA、Sigfox クラスのデバイスをターゲットとしたプロトコル。現在開発中) のほうが親和性が高いと判断
- スリープモード、低電力化への対応
時間的制約により申し送り。消費電力の計測の知見を溜める等、従来のソフトウェア開発より踏み込む必要性は感じており、将来の課題としたい
- サーバ部の機能拡張、HTTPS化
モチベーションはターゲット側のセキュリティ確保、というのは言い訳で、この手の開発に精通している社内の若手が別PJに取られた為断念。
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